鍼灸の庵 記事一覧

脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第二)① ~脈診の原典~

平 三関陰陽二十四気の脈 第一 左手の関前寸口の陽、絶する者は小腸の脈無なり。 臍痺、小腹の中に疝瘕有りて王月には冷えて上て心を搶つくことを苦しむ。 手の心主の経を刺し陰を治す。心主は掌後横理の中に在り。(大陵) 左手の関前寸口の陽、実する...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑮ ~脈診の原典~

病 将に差んとす と 已え難き の脉を診す 第十五 問うて曰く、仮令ば病患差いえんと欲す。脈にして愈ことを知るは、何を以って之を別かたん。 師曰く、寸関尺、大小、遅疾、浮沈、同等なれば、寒熱解せざる者有りと雖ども、此れ脈の陰陽の平復を為す。...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑭ ~脈診の原典~

平 人病を得るの所起 第十四 何を以って春に病を得るを知るや。 肝脈無きことなり。 心脈無きは、夏に病を得る。 肺脈無きは、秋に病を得る。 腎脈無きは、冬に病を得る。 脾脈無きは四季の月に病を得る。 仮令ば、肝病は西行して、若しくは鶏肉を食...
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脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑬ ~脈診の原典~

遅疾短長雑脈の法 第十三 黄帝問うて曰く、余聞く、胃の気、手の少陽三焦、四時五行の脈法、夫れ人の言うことに脈に三陰三陽有りて、病の存亡を知る。脈、外を以って内を知る。尺寸の大小、願くは之を聞かん。 岐伯曰く、寸口の中、外は浮沈、前後、左右、...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑫ ~脈診の原典~

災怪恐怖の雑脈を弁ず 第十二 問うて曰く、脈に残賊有りとは何の謂ぞや。 師の曰く。脈に絃有り、緊有り、濇有り、滑有り浮有り、沈有り、此の六脈を残賊と為す。能く諸経と病を作なす。 問うて曰く、嘗て人の為めに難ぜらる所、緊脈何れの所従り来るや。...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑪ ~脈診の原典~

従横逆順伏匿の脈 第十一 問うて曰く、脈に相乗すること有りて、従有り、横有り。逆有り、順有り。何の謂ぞや。 師曰く、水行きて火に乗じ、金行きて木に乗ずるを名づけて従と曰う。 火行きて水に乗じ、木行きて金に乗ずるを名づけて横と曰う。 水行きて...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑩ ~脈診の原典~

平 虚実 第十 人に三虚三実有るは何の謂いいぞや。 然しかり、脈の虚実有り、病の虚実有り、診の虚実有り。 脈の虚実は、脈来ること耎ぜんなる者を虚と為し、牢ろうなる者を実と為す。 病の虚実は、出る者を虚と為し、入る者を実と為す。 言う者を虚と...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑨ ~脈診の原典~

脈の陰陽を弁ずるの大法 第九 脈に陰陽の法有るとは何の謂いいぞや 然しかり、呼は心と肺とに出いで、吸は腎と肝とに入る。 呼吸の間に脾は穀味を受けるなり。其の脈は中に在り。 浮ふは陽なり。沈ちんは陰なり。故に陰陽と曰う。 心肺倶ともに浮く、何...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑧ ~脈診の原典~

臓腑の病脈陰陽を弁ずる大法 第八 脈、何を以ってか臓腑の病を知るや。 然しかり、数さくは腑なり、遅ちは臓なり。 数は即ち熱有り、遅は即ち寒を生ず。 諸陽を熱と為し、諸陰を寒と為す。 故に臓腑の病を別ち知るなり。 脈来ること浮ふ大なるは此れ肺...
脈経

『脈経』王叔和譔(巻第一)⑦ ~脈診の原典~

両手六脈の五臓六腑陰陽逆順の主る所 第七 脉法讃に云う。肝心は左に出で、脾肺は右に出でる。腎と命門と倶に尺部に出る。魂魄穀神、皆寸口に見る。 左は司官を主り、右は司府を主る。 左大は男に順。右大は女に順。 関前一分、人命の主。 左を人迎と為...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑥ ~脈診の原典~

脈を持る軽重の法 第六 脈に軽重有るは何の謂ぞや。 然り、初に脈を持みるに、三菽しゅくの重さの如くにして皮毛と相得るものは肺の部なり。 六菽の重さの如くにして血脈と相得るものは心の部なり。 九菽の重さの如くにして肌肉と相得るものは脾の部なり...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑤ ~脈診の原典~

平 脈、人の大小、長短、男女の逆順を視る法 第五 凡そ、脈を診るときは当に其の人の大小、長短、及び性気の緩急を視るべし。 脈の遅速、大小、長短、皆、其の人の形性の如きなるは則ち吉。之に反するは則ち逆と為すなり。 脈三部大都おおよそ等しからん...
雑記

ガクアジサイ(額紫陽花)

梅雨と言えば紫陽花ということで、ガクアジサイの写真を一枚撮影。
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)④ ~脈診の原典~

尺寸陰陽栄衛度数を弁ず 第四 夫れ十二経、皆、動脈有り、独り寸口すんこうを取りて、以て五臓六腑死生吉凶之候を決するとは何の謂いいぞや。 然しかり、寸口は脈の大会たいえ、手の太陰の動脈なり。 人、一呼に脈行くこと三寸、一吸に脈行くこと三寸、呼...
脈経

『脈経』王叔和譔 (巻第一)③ ~脈診の原典~

三関の境界脈候の所主を分別す 第三 魚際従り高骨こうこつに至り却しりぞき行くこと一寸、其の中を名づけて寸口すんこうと曰う。 寸従り尺に至り名づけて尺沢と曰う。故に尺寸と曰う。寸後尺前、名づけて関と曰う。 陽出陰入関を以て界と為す。陽出ること...
脈経

『脈経』王叔和譔(巻第一)② ~脈診の原典~

平 脈早晏の法 第二 黄帝問うて曰く、夫れ診脈常に平旦を以ってするは何ぞや。 岐伯対して曰く、平旦は陰気未だ動かず、陽気未だ散ぜず、飲食未だ進まず、経脈未だ盛んならず、絡脈調均して気血未だ乱れず。故に乃ち診すべし。此を過ぎれば非なり。脈の動...