『脈経』王叔和譔(巻第一)② ~脈診の原典~

平 脈早晏の法 第二

黄帝問うて曰く、夫れ診脈常に平旦を以ってするは何ぞや。
岐伯対して曰く、平旦は陰気未だ動かず、陽気未だ散ぜず、飲食未だ進まず、経脈未だ盛んならず、絡脈調均して気血未だ乱れず。故に乃ち診すべし。此を過ぎれば非なり。脈の動静を切にして、精明を視、五色を察し、五臓の有余不足、六腑の強弱形の盛衰を観て、以って此を参伍して死生の分を決す。


【メモ】
この篇は『素問』脈要精微論篇 第十七から抜き出しているようです。
晏(あん):おそい
平旦:夜明け頃

原文

平脉早晏法第二
黃帝問曰夫診脉常以平旦何也岐伯對曰平旦者
隂氣未動陽氣未散飮食未進經脉未盛絡脉調均[1]
氣血未亂故乃可診過此非也[2]
切脉動靜而視精明察五色觀五藏有餘不足六腑
強弱形之盛衰以此參伍決死生之分

注釈
[1] ^ : 内經作調勻
[2] ^ : 千金同素問太素云有過之脉

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底本:『脈経 仿宋何大任本』北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部・日本内経医学会
参考:『王叔和脉経』京都大学附属図書館所蔵

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