『脈経』王叔和譔 (巻第一)⑥ ~脈診の原典~

脈を持る軽重の法 第六

脈に軽重有るは何の謂ぞや。
然り、初に脈をるに、三しゅくの重さの如くにして皮毛と相得るものは肺の部なり。
六菽の重さの如くにして血脈と相得るものは心の部なり。
九菽の重さの如くにして肌肉と相得るものは脾の部なり。
十二菽の重さの如くにして筋と平なるものは肝の部なり。
之を按じて骨に至り、之を挙げて来ること疾きものは腎の部なり。
故に軽重を曰うなり。


【メモ】
この篇は『難経』の五難を持ってきています。
菽:小豆1粒の重さ

原文

持脉輕重法第六
脉有輕重何謂也然初持脉如三菽之重與皮毛相
得者肺部也[1]
如六菽之重與血脉相得者心部也[2]
如九菽之重與肌肉相得者脾部也[3]
如十二菽之重與筋平者肝部也[4]
按之至骨舉之來疾者腎部也[5]故曰輕重也

注釈
[1] ^ : 菽者小豆言脉輕如三小豆之重浮之在皮毛之間者肺氣所行故言肺部也
[2] ^ : 心主血脉次於肺如六豆之重
[3] ^ : 脾在中央主肌肉故次心如九豆之重
[4] ^ : 肝主筋又在脾下故次之
[5] ^ : 腎主骨其脉沈至骨

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底本:『脈経 仿宋何大任本』北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部・日本内経医学会
参考:『王叔和脉経』京都大学附属図書館所蔵

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