経絡について

経絡人形東洋医学では全身に気・けつ津液しんえき(水)というものが巡っていると仮定して考えています。
身体の中で気血きけつの流れる道を経脈けいみゃく、経脈同士をつなぐ道を絡脈らくみゃくといいます。経脈と絡脈を総称して経絡けいらくと言います。経脈上に現れる反応点(一般的に「ツボ」といわれる)を経穴けいけつと言います。
全身の経絡の一覧を次の節に示します。その中で、実際に独自の経穴があるのが12本の正経せいけい奇経きけいの中の任脈と督脈になります。
気血は正経の手の太陰肺経たいいんはいけいから順番に流れていき、足の厥陰肝経けついんかんけいからまた手の太陰肺経に戻るように循環しているとされています。また、奇経に関しては正経が溢れたとき等に流れるとされています。
「経絡」というものは目に見える物ではなく、概念的なものですが、このような仮説を作っておいた方が治療がやりやすかったのではないかと考えられます。また、実際に経絡に沿って反応が出るなどの経絡現象は多々見られることです。この経絡説を元に治療効果を得ながら数千年の長い間続いてきたのが鍼灸医学になります。その為、現在でも治療を行う上で経絡・経穴は非常に重要なものとなっています。

経絡の一覧

正経十二経脈

臓腑と関連する通常の経脈です。正経には全部で12の経脈があります。この12脈を順番に気が巡り、一日に50周するとされています。また、各経脈はそれぞれ表裏関係があり、経脈同士で深く関連しあっています。

名称よみがな種別
手の太陰肺経てのたいいんはいけい正経
手の陽明大腸経てのようめいだいちょうけい正経
足の陽明胃経あしのようめいいけい正経
足の太陰脾経あしのたいいんひけい正経
手の少陰心経てのしょういんしんけい正経
手の太陽小腸経てのたいようしょうちょうけい正経
足の太陽膀胱経あしのたいようぼうこうけい正経
足の少陰腎経あしのしょういんじんけい正経
手の厥陰心包経てのけついんしんぽうけい正経
手の少陽三焦経てのしょうようさんしょうけい正経
足の少陽胆経あしのしょうようたんけい正経
足の厥陰肝経あしのけついんかんけい正経

 

奇経八脈

奇経は通常とは異なる特殊な経絡で、気血が溢れるとき等に多く流れるとされます。全部で8あります。督脈と任脈にのみ独自の経穴があり、それ以外は正経と督脈・任脈の経穴をつなげたものになります。

名称よみがな種別
督脈とくみゃく奇経
任脈にんみゃく奇経
陽蹻脈ようきょうみゃく奇経
陰蹻脈いんきょうみゃく奇経
衝脈しょうみゃく奇経
陽維脈よういみゃく奇経
陰維脈いんいみゃく奇経
帯脈たいみゃく奇経

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