足の厥陰肝経

こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は正経十二経脈最後(12番目)の経脈「足の厥陰肝経」について記載します。

足の厥陰肝経の概要

あし厥陰けついん肝経かんけいは、「肝」に属した経脈です。この経脈一本にある経穴の数は14穴になります。この経脈は身体の左右にあるため、全身の経穴数は合わせて28穴となります。
正式名称は「足の厥陰肝経」ですが、略して「肝経」「足厥陰」と言うことがあります。
旧字体では「足の厥陰肝經」、中国語の簡体字では「足厥阴肝经」、英語では”LIVER MERIDIAN”と書きます。
「肝」に関連する症状(目眩、目の疲れ、全身疲労等)や、経脈の走行上の症状(膝の痛み、足の痺れ、陰部の痛み等)などによく使います。
全身を巡る「氣」はここで一周となり、最初の「手の太陰肺経」にもどります。

流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~

足の厥陰肝経の図
※ここでは『十四経発揮じゅうしけいはっき』の図を利用しています。

 足の厥陰肝經は𧿹趾の聚毛(三毛とて𧿹趾の表面にある毛なり)より起り、足背を𧿹趾と第二趾との間を經て上行し、足の内踝より脛骨櫛の内側の骨面を上行し、足踝の上八寸位にして、足の太陰脾経の後側に出で、膝膕窩の内側を上り、股を循つて、陰中に入り、陰器を環り、小腹に抵り、胃を挾み、肝に屬し、膽を絡ふ、上つて膈を貫き、脇肋に布き喉嚨の後をめぐり、猶ほ上りて、咽門のかしらに入り、めがしらより鼻涙管まで(即ち目系)に連り、上つて額に出で督脈とに會す、其の支は目系より頰の裏に下りて唇の内を環る。一支はまた肝より別れて膈上をつらぬいて肺に注ぐものである。

引用:柳谷素霊著『鍼灸醫學全書 經穴學』,p.322

是動病・所生病

是動ずれば、腰痛て俛仰すべからず、丈夫は頽疝、婦人は小腹はれ、甚しきときは嗌乾き、面塵き、色を脱す、是肝を主る。
生ずる所の病は、胸みち、嘔逆、洞洩、孤疝、遺溺、癃閉。

引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』

足の厥陰肝経の経穴一覧

コード名称よみがな備考
LR1大敦だいとん井木穴
LR2行間こうかん滎火穴
LR3太衝たいしょう兪土穴・原穴
LR4中封ちゅうほう経金穴
LR5蠡溝れいこう絡穴
LR6中都ちゅうと郄穴
LR7膝関しつかん
LR8曲泉きょくせん合水穴
LR9陰包いんぽう
LR10足五里あしごり
LR11陰廉いんれん
LR12急脈きゅうみゃく
LR13章門しょうもん脾の募穴
LR14期門きもん肝の募穴
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