こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は正経十二経脈の8番目の経脈「足の少陰腎経」について記載します。
足の少陰腎経の概要
足の少陰腎経は、「腎」に属した経脈です。この経脈一本にある経穴の数は27穴になります。この経脈は身体の左右にあるため、全身の経穴数は54穴となります。
正式名称は「足の少陰腎経」ですが、略して「腎経」「足少陰」と言うことがあります。
旧字体では「足の少陰腎經」、中国語の簡体字では「足少阴肾经」、英語では”KIDNEY MERIDIAN”と書きます。
「腎」に関連する症状(頻尿、体力の低下、生殖機能等)や、経脈の走行上の症状(膝の痛み等)などに使います。
流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~
※ここでは『十四経発揮』の図を利用しています。
足の少陰腎經の脈は小趾の下に起り、斜めに足心所謂土踏まずに向ふて舟狀骨突起の下に出で、内踝の後へ循り引いて跟骨中に入り、腨内に上り膕の内廉にて股の内後廉に上り、脊を貫き長强に會して腎に屬し、膀胱を絡ひ其の直經は腎より上つて肝膈を貫き肺中に入り、喉嚨に循り舌本を挾む、其支なるものは肺より出でゝ心を絡ひ胸中に注ぐものである。
引用:柳谷素霊著『鍼灸醫學全書 經穴學』,p.187
是動病・所生病
是動ずるときは、飢ても食を欲せず、面黒く、喘欬、唾血、坐して起と欲し、目䀮々として所見なきがごとし、心懸が如く、飢るがごとし。気不足し、善く恐れ、心惕々として人の捕えんとするがごとし。
生ずる所の病は、口熱し舌乾き、咽腫、上気し、嗌乾きいたみ、煩心、心痛、黄疽、腸癖、脊、しり、股内の後廉いたみ、痿厥して臥ことを耆み、足の下熱していたむ。引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』
足の少陰腎経の経穴一覧
コード | 名称 | よみがな | 備考 |
---|---|---|---|
KI1 | 湧泉 | ゆうせん | 井木穴 |
KI2 | 然谷 | ねんこく | 滎火穴 |
KI3 | 太渓(太谿) | たいけい | 兪土穴・原穴 |
KI4 | 大鍾(大鐘) | だいしょう | 絡穴 |
KI5 | 水泉 | すいせん | 郄穴 |
KI6 | 照海 | しょうかい | |
KI7 | 復溜 | ふくりゅう | 経金穴 |
KI8 | 交信 | こうしん | |
KI9 | 築賓 | ちくひん | |
KI10 | 陰谷 | いんこく | 合水穴 |
KI11 | 横骨 | おうこつ | |
KI12 | 大赫 | だいかく | |
KI13 | 気穴 | きけつ | |
KI14 | 四満 | しまん | |
KI15 | 中注 | ちゅうちゅう | |
KI16 | 肓兪 | こうゆ | |
KI17 | 商曲 | しょうきょく | |
KI18 | 石関 | せきかん | |
KI19 | 陰都 | いんと | |
KI20 | 腹通谷 | はらつうこく | |
KI21 | 幽門 | ゆうもん | |
KI22 | 歩廊 | ほろう | |
KI23 | 神封 | しんぽう | |
KI24 | 霊墟 | れいきょ | |
KI25 | 神蔵 | しんぞう | |
KI26 | 彧中 | いくちゅう | |
KI27 | 兪府 | ゆふ |
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