少商 ~現役鍼灸師によるツボの解説~

こんにちは、やまと治療院です。
今回も「手にあるツボシリーズ」として、「少商」という経穴けいけつについて記述します。

経穴の説明

「少商」は「しょうしょう」と読みます。同じ音の経穴はいくつかあるので注意してくださいね。
少商は手の太陰肺経の最後のツボで11番目の経穴となります。手の太陰肺経の五行穴井木穴せいもくけつになります。WHOのコードは”LU11″です。
少商には鬼信という別名があります。
この経穴は、扁桃腺炎、手の麻痺、耳下腺炎、吃逆などに使われます。
私は風邪などで咽喉の痛みが強い時や、肺経に関連する部位の熱が多い時などに使用しています。

経穴の場所

少商

上記の図のように爪の際の所が少商の位置になります。

なお、正式な部位は以下の通りとなります。

母指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。

引用:WHO西太平洋地域事務局著,第二次日本経穴委員会訳『WHO/WPRO標準経穴部位-日本語公式版-』医道の日本社,2009年,p.31

古典における記載例

また、古典では以下のように記されています。

十四経発揮

【原文】在大指端内側去爪甲如韭葉白肉内宛々中

【書き下し文】大指の端の内側、爪甲を去ること韭葉の如く白肉の内宛々たる中に在り。

引用:滑寿著『十四経発揮』1341年
鍼灸重宝記

少商
二穴。手大指の内側(小指の方は外大指のほうは内)爪の生ぎわを一分ほど去る。針一分留ること三呼、瀉は五吸、禁灸。
頷腫、喉閉、心の下満ち、汗出で寒く、痎瘧、欬逆、腹脹不食、指いたみ、掌熱し、小児の乳鵝を治す。

引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』1718年
医心方

少商 二穴
在手大指端内側、去爪甲角如韮葉。
刺入一分、留一呼、灸一壮。
主:瘧、寒厥及熱煩心、善噦、心満、手臂不仁、唾沫唇乾、食飲不下

引用:丹波康頼著『医心方』984年