こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は正経十二経脈の10番目の経脈「手の少陽三焦経」について記載します。
手の少陽三焦経の概要
手の少陽三焦経は、「三焦」に属した経脈です。この経脈1本の経穴の数は23穴になります。この経脈は身体の左右にあるため、全身の経穴の数は46穴となります。
正式名称は「手の少陽三焦経」ですが、略して「三焦経」「手少陽」と言うことがあります。
旧字体では「手の少陽三焦經」、中国語の簡体字では「手少阳三焦经」、英語では”TRIPLE ENERGIZER MERIDIAN”と書きます。
経脈の走行上の症状(肩こり、肩の痛み、頭痛等)などに使います。
流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~
※ここでは『十四経発揮』の図を利用しています。
手の少陽三焦經脈は環指尺側爪甲根部より起り、上つて兩指の間に出で、手背の腕を循り(陽池穴)臂の外、兩骨の間に出で、上つて肘を貫き、臑(カイナ)の外をめぐり、肩に上つて、足の少陽の後に交り、缺盆に入り膻中にまじり、散じて心嚢心包をまとひ膈膜に下つて、三焦に屬す、其支は膻中より上つて、缺盆に出で、項に上つて、耳後に繋り、直ちに耳上の角に出で、下に屈して頰に下り䪼(メノシタ)に至る、其支は耳の後より耳に入り、出でゝ耳前に走り、上關穴の前を過ぎて頰に交り、目の鋭眥に至り、絲竹空に終るものである。
引用:柳谷素霊著『鍼灸醫學全書 經穴學』,p.231
是動病・所生病
是動ずるときは、耳聾、のどはれ、喉痺、是気を主る。
生ずる所の病は、汗出、目鋭眥いたみ、頰いたむ、耳の後、肩、臑、肘、臂の外、みな痛み、小指の次の指もちひられず。引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』
手の少陽三焦経の経穴一覧
コード | 名称 | よみがな | 備考 |
---|---|---|---|
TE1 | 関衝 | かんしょう | 井金穴 |
TE2 | 液門 | えきもん | 滎水穴 |
TE3 | 中渚 | ちゅうしょ | 兪木穴 |
TE4 | 陽池 | ようち | 原穴 |
TE5 | 外関 | がいかん | 絡穴 |
TE6 | 支溝 | しこう | 経火穴 |
TE7 | 会宗 | えそう | 郄穴 |
TE8 | 三陽絡 | さんようらく | |
TE9 | 四瀆 | しとく | |
TE10 | 天井 | てんせい | 合土穴 |
TE11 | 清冷淵 | せいれいえん | |
TE12 | 消濼 | しょうれき | |
TE13 | 臑会 | じゅえ | |
TE14 | 肩髎 | けんりょう | |
TE15 | 天髎 | てんりょう | |
TE16 | 天牖 | てんよう | |
TE17 | 翳風 | えいふう | |
TE18 | 瘈脈 | けいみゃく | |
TE19 | 顱息 | ろそく | |
TE20 | 角孫 | かくそん | |
TE21 | 耳門 | じもん | |
TE22 | 和髎 | わりょう | |
TE23 | 糸竹空 (絲竹空) | しちくくう |
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