こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は正経十二経脈の4番目の経脈「足の太陰脾経」について記載します。
足の太陰脾経の概要
足の太陰脾経は、「脾」に属した経脈です。一本の経脈上の経穴の数は21穴になります。この経脈は体の左右にあるため、全身の経穴の数は42穴となります。
正式名称は「足の太陰脾経」ですが、略して「脾経」「足太陰」と言うことがあります。
旧字体では「足の太陰脾經」、中国語の簡体字では「足太阴脾经」、英語では”SPLEEN MERIDIAN”と書きます。
「脾(西洋医学で言う膵臓)」に関連する症状(消化不良、手足が重く感じる等)や、経脈の走行上の症状(膝の痛み、股関節の痛み等)などによく使います。
流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~
※ここでは『十四経発揮』の図を利用しています。
足の太陰脾經の脈は𧿹趾内側爪甲根部より起り、足の内側即ち、第一蹠骨の内側を上行し、内踝の前側を通りて脛骨の内後緣を上行し(厥陰の前に出で)膝關節の内面を通り、大腿内下端に出で内側中央を上行し、鼠蹊溝を經て、下腹部に出で、(中極、關元に絡ふ)脾に屬し、胃(下脘)を絡ふて、膈(横隔膜)に上り、こゝより、側脇を上り、中府を經て、喉を挾み、舌本に連り、舌下に散る、其支別は復た胃より別れて、膈に上り心中に注ぐ。
引用:柳谷素霊著『鍼灸醫學全書 經穴學』,p.79
足の太陰脾経の病(是動病・所生病)
是動ずるときの病は、舌本強ばり、食するときは嘔し、胃脘痛み、腹脹り喘噫す。
是れ脾を主り、所生病は、舌本痛み、體動動揺すること能わず。食下らず、煩心し、心下急痛し、溏し、瘕泄し、水閉じ、黄疸、臥すこと能わず、強いて立てば股膝の内腫厥し、足の大指用いられず。:足の太陰の気、絶するときは肌肉を榮せず、唇舌は肌肉の本なり。脉榮せざるときは肌肉軟す。
肌肉軟するときは舌萎え人中満つる、人中満つるときは唇反す。
唇反するものは肉先ず死す。甲に篤くして乙に死す。木は土に勝なり。引用:『黄帝内経霊枢』経脉第十
足の太陰脾経の経穴一覧
コード | 名称 | よみがな | 備考 |
---|---|---|---|
SP1 | 隠白 | いんぱく | 井木穴 |
SP2 | 大都 | だいと | 滎火穴 |
SP3 | 太白 | たいはく | 兪土穴・原穴 |
SP4 | 公孫 | こうそん | 絡穴 |
SP5 | 商丘 | しょうきゅう | 経金穴 |
SP6 | 三陰交 | さんいんこう | |
SP7 | 漏谷 | ろうこく | |
SP8 | 地機 | ちき | 郄穴 |
SP9 | 陰陵泉 | いんりょうせん | 合水穴 |
SP10 | 血海 | けっかい | |
SP11 | 箕門 | きもん | |
SP12 | 衝門 | しょうもん | |
SP13 | 府舎 | ふしゃ | |
SP14 | 腹結 | ふっけつ | |
SP15 | 大横 | だいおう | |
SP16 | 腹哀 | ふくあい | |
SP17 | 食竇 | しょくとく | |
SP18 | 天渓(天谿) | てんけい | |
SP19 | 胸郷 | きょうきょう | |
SP20 | 周栄 | しゅうえい | |
SP21 | 大包 | だいほう | 脾の大絡 |
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