こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は正経十二経脈の2番目の経脈「手の陽明大腸経」について記載します。
手の陽明大腸経の概要
手の陽明大腸経は、「大腸」に属した経脈です。一本の経脈上の経穴は20穴になります。これが体の左右にあるため、全身の経穴数は左右合わせて40穴となります。
正式名称は「手の陽明大腸経」ですが、略して「大腸経」「手陽明」と言うことがあります。
旧字体では「手の陽明大腸經」、中国語の簡体字では「手阳明大肠经」、英語では”LARGE INTESTINE MERIDIAN”と書きます。
「大腸」に関連する症状や、経脈の走行上の症状(肘の痛み、肩こり等)などによく使います。
流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~
※ここでは『十四経発揮』の図を利用しています。
手の陽明大腸經の脈は示指橈側爪甲根部の商陽穴より起つて、手背の第一掌骨と第二掌骨との間を上行し、長伸拇筋腱と短伸拇筋腱との間を通り、前膊橈側を經て、肘關節の外側に至り、これより少しく上膊の後側に曲りながら上行し、更に上膊外面に出でゝ之を上行し、肩峰突起の外端(巨骨の前廉)鎖骨の外後側を通り、第一胸椎に至り、これにより鎖骨上窩を經て、肺を絡ひ、横膈膜を通りて大腸に屬する經脉であります、支(エダ)は前頸部から、頸、頰を經て口を挾み、左右の脉絡交叉して、鼻翼の外側に終るのであります。
引用:柳谷素霊著『鍼灸醫學全書 經穴學』,p.26
手の陽明大腸経の病(是動病・所生病)
是動ずるときの病は、歯痛み頚腫る。
是れ津液を主り、所生病は、目黄み、口乾き、鼽衂し、喉痺し、肩の前の臑いたみ、大指の次指痛みて用いられず。
気有余なるときは、脉の過ぎる所に当たるは熱腫す。
虚するときは、寒慄して復せず。引用:『黄帝内経霊枢』経脉第十
手の陽明大腸経の経穴一覧
コード | 名称 | よみがな | 備考 |
---|---|---|---|
LI1 | 商陽 | しょうよう | 井金穴 |
LI2 | 二間 | じかん | 滎水穴 |
LI3 | 三間 | さんかん | 兪木穴 |
LI4 | 合谷 | ごうこく | 原穴 |
LI5 | 陽渓(陽谿) | ようけい | 経火穴 |
LI6 | 偏歴 | へんれき | 絡穴 |
LI7 | 温溜 | おんる | 郄穴 |
LI8 | 下廉 | げれん | |
LI9 | 上廉 | じょうれん | |
LI10 | 手三里 | てさんり | |
LI11 | 曲池 | きょくち | 合土穴 |
LI12 | 肘髎 | ちゅうりょう | |
LI13 | 手五里 | てごり | |
LI14 | 臂臑 | ひじゅ | |
LI15 | 肩髃 | けんぐう | |
LI16 | 巨骨 | ここつ | |
LI17 | 天鼎 | てんてい | |
LI18 | 扶突 | ふとつ | |
LI19 | 禾髎 | かりょう | |
LI20 | 迎香 | げいこう |
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