こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回も手にあるツボシリーズとして「大陵」という経穴について記述します。
経穴の説明
「大陵」は「だいりょう」と読みます。
手の厥陰心包経の7番目の経穴で、手の厥陰心包経の原穴であり、五行穴の兪土穴になります。
WHOのコードは”PC7″です。
別名としては、「心主」「鬼心」といったものがあります。
この経穴は、心疾患、のどの腫れ、肋間神経痛、頭痛、などに使われます。
経穴の場所
手首の内側の皺の真ん中あたりになります。正確な、正式な部位の定義は以下の通りとなります。
手関節前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋上。
引用:WHO西太平洋地域事務局著,第二次日本経穴委員会訳『WHO/WPRO標準経穴部位-日本語公式版-』医道の日本社,2009年,p.155
古典における記載例
なお、古典では以下のように記されています。
【原文】在掌後両筋間陥中
【書き下し文】掌後両筋の間、陥中に在り。
引用:滑寿著『十四経発揮』1341年
大陵
二穴。掌の後へ腕の横文の中両筋の間にあり。灸三壮、針五分六分留ること七呼。
熱病汗出でず掌熱し、肘攣り痛み、脇腫、心煩れ、心痛、目赤く、小便赤、嘔啘、こうひ、口乾き、身熱し、づつう、気みぢかく、胸脇いたみ、疥癬を治す、心包絡の実はこれを瀉すべし。引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』1718年